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脂肪肝

脂肪肝の原因

脂肪肝になる原因は大きく分けるとアルコール性非アルコール性の2種類からなります。

アルコール性脂肪肝はアルコール摂取をすることでアルコールを分解する際に中性脂肪が作られやすくなることで引き起ります。

毎日過度な飲酒習慣がある人にアルコール性脂肪肝が多いといわれています。

一方、飲酒が原因でない非アルコール性脂肪肝の場合には様々な原因が考えられ、一番多いのが食べ過ぎによる脂肪肝です。

脂質や糖質の摂り過ぎていると脂肪酸やブドウ糖が中性脂肪として肝臓に溜まってしまいます。

その場合、肥満や糖尿病、高脂血症等を併発することも少なくありません。

ダイエット・ストレスが原因になる

ダイエットによって脂肪肝になってしまうこともあります。食事制限によるダイエットを行った結果、タンパク質不足になることが原因で脂肪肝を誘発します。

通常はタンパク質の働きにより、肝臓の中性脂肪は血液中に流していくのですが、タンパク質不足になると中性脂肪が血液中に流れなくなり、肝臓にとどまってしまうことが原因です。

痩せているのに脂肪肝と診断されることがあるのです。

また、最近ではストレス性の脂肪肝が増加傾向になります。

長期にストレスを感じているとストレスホルモンが発生すると言われ、大量のエネルギーが必要とし、そのエネルギーを確保するために皮下脂肪を血液中に流し、肝臓に脂肪を溜めていくからだと考えられています。

ストレスが続くと高脂血症になり、脂肪が肝臓に溜まるために脂肪肝になります。

その他の原因としてステロイド等の薬の副作用として脂肪肝になることがあります。

また、原因は解明されていませんが、妊娠後期に起こる脂肪肝もあり、症状は急速に進み、母子ともに危険な状態になることがありあすので少しの異変にも早めに気付くことが重要です。

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脂肪肝の症状

健康な肝臓には3~5%の脂肪がついているのですが、脂肪肝とは肝臓に5%以上の脂肪がついてしまう状体で、よくフォアグラ状の肝臓と例えられます。

脂肪肝自体は、かつてはそんなに心配するような病気ではないといわれていました。

しかし、最近では脂肪肝は重症度の高いNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)への進行に加え、狭心症や心筋梗塞などを合併する確率が高くなり、生活習慣病の原因の一つであることが解っています。

肝臓は「沈黙の臓器」と言われているように、脂肪肝も初期段階では自覚症状が全くありません。

脂肪肝の症状肝臓は痛みに鈍感な臓器だといわれていることに加え、その再生能力が高く、少しぐらいのダメージであれば正常に機能している部分が余分に働いてしまいます。

結果、病気に気付くことが遅くなり、異常や症状が出てきた時には肝臓病が進行しているケースも少なくないのです。

肝機能が低下してくると、様々な自覚症状が現れます。

例えば、疲れやすくなったり、疲れがなかなか取れない、頭がぼんやりする、記憶力の低下、寝つきが悪いなど…しかし、これらの症状は脂肪肝特有のものではなく見逃されやすいので注意が必要です。

他には、肌の色や肌の状態が変わり、かゆみや敏感肌になってしまう、お腹が張って、ガスが溜まり、ゲップが出やすくなるなどの症状が現れることもあります。

さらに病状が進行すると、肝硬変に移行する場合もあります。

肝硬変まで進行してしまうと治療が困難となりますので、普段から定期的な検診を受け、なるべく初期の段階で治療を受けることが大切です。

脂肪肝の数値

脂肪肝は肝臓に中性脂肪が溜まってしまう状体を指しますが、脂肪肝の判断を下すには超音波検査やCTスキャンと血液検査による数値などから総合的に診断されます。

まず血液検査では、主にALT(アスパラギンアミノトランスフェラーゼ・GPT)とAST(グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ・GOT)というアミノ酸を作り出す酵素の数値をチェックします。

健康な人の場合、ASTとALTは肝臓の働きとともに使用されますが肝臓に問題がある場合は、肝臓で使われなかったASTとALTは血液の中に漏れ出してしまうことで数値が高くなります。

正常値はALT・AST共に30IU/L以下とされており、31IU/L以上なら肝臓に何らかの異常があると考えられます。

脂肪肝,数値ここで注目していただきたいのが、ALT・ASTの数値です。

ともに100IU/L以下でALTがASTの数値より高値のときには、脂肪肝や慢性肝炎の疑いがあり、100IU/L以上の場合はウイルス性の肝炎が疑われます。

この他にもy-GTPという酵素の数値は、アルコール性脂肪肝や肝炎に反応することで有名です。

y-GTPの基準値は50IU/L以下が理想とされていて、100IU/Lで脂肪肝の可能性が高いと考えられています。

脂肪肝は血液検査の数値だけではなく、腹部エコーなどの画像検査の結果など総合的に診断されます。

軽度の脂肪肝であれば、早めに対応することで改善しますので定期的な血液検査から早期に発見することが大切です。

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脂肪肝の治療

脂肪肝治療の基本は、食事療法有酸素運動の2本立てで行われます。

食事はビタミン、ミネラルを多く含む食品と良質のタンパク質をバランスよく摂取することがポイントです。

脂肪肝の治療食べ過ぎに注意し、腹7~8分目ぐらいで抑えるダイエットを行っていくのですが、あまり過度なダイエットは逆に肝臓への負担がかかるので注意してください。

また、アルコールの摂取を控えなければなりません。脂肪肝の状態や肝機能の数値にもよりますが、飲酒は適量を心掛けます。

肝臓に良いと言われる栄養素を積極的に摂ることも大事です。

例えば、タウリンは肝臓に溜まった中性脂肪を排出する働きがあり、脂肪肝に効果的で、牡蠣、イカ・タコ・エビ・ホタテなどに多く含まれています。

このように肝機能を改善させる食品を積極的に摂りつつ、バランスの取れた食事が脂肪肝治療の基本となるのですが、足りない栄養素はサプリメントで補うのも良いでしょう。

しかし、サプリメントだけの摂取はお勧めできません。一日の摂取量を守って摂るようにしましょう。

脂肪肝に薬はあるのか?

脂肪肝の為に確立されている薬というものは現在は残念ながらありません。

脂肪肝,薬薬物療法として、ビタミン剤や糖尿病に使われるインスリン抵抗性改善薬、慢性肝炎に使用される肝庇護剤が効果的だという報告もありますが、脂肪肝の為に確率されたものではありません。

脂肪肝に一番有効な治療法は、食事療法と運動療法の療法をバランスよく行うことで、初期の脂肪肝だと薬の使用はしなくても食事と運動に気を配るだけで短期間で改善されます。

そういう中で脂肪肝に効果が期待できるとして処方されている有名な薬がウルソデオキシコール酸になります。

一般的にウルソと呼ばれており、慢性肝炎の肝庇護剤として、また胆石の治療の為に処方されるものなので、実際は脂肪肝を治療する薬ではありません。

このウルソは長年に渡り使用されている薬で、特に副作用等は報告されていないので安心して服用することができます。

作用としては胆汁の流れを良くして、肝細胞を保護する働きがあるので肝臓には良い薬です。

しかし、脂肪肝の場合ではウルソだけをを服用しているだけでは効果は期待できず、やはり食事療法と運動療法は合わせて行う必要があります。

脂肪肝,漢方薬また、市販の薬で「ネオレバルミン錠」が脂肪肝に効果があるという記事がありますが、これも肝臓疾患の薬で直接脂肪肝に効く薬というわけではなく肝細胞を守り、肝臓の働きを助ける薬です。

また、漢方薬にて脂肪肝を治療する方法もあります。

漢方の考えでは、肝臓のみでなく、「脂肪がつきにくい体質に改善する」といった形で体質改善を行います。

脂肪肝によく使われる漢方は「防風通聖散(ボウフウツウショウサン)」、「大柴胡湯(ダイサイコトウ)」、「桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)」等がありますが、脂肪肝に直接効くものではなく、体質改善が主な効果になり、各自の体質に合わせて漢方専門薬局で処方してもらえます。

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脂肪肝の改善方法

脂肪肝と診断されてから何もせずに放置していると肝硬変をはじめ、他の生活習慣病への引き金となりかねません。

しかし、食生活の見直しや運動によって脂肪肝は改善することが可能です。

脂肪肝を改善するためには、肝臓に負担をかけないようにすることが第一です。

体脂肪を減らすことで、肝臓への負担が減るといわれていますが、やみくもにダイエットをするのは肝臓に負担をかけ、逆効果になる場合があります。

食事とアルコール

ダイエット、食事の内容、運動にポイントを置いて、医師や栄養士の指示に従って生活を送ることで2~3か月という期間で脂肪肝を改善させることが可能です。

脂肪肝の改善食事は脂肪(揚げ物など)を控え、ミネラルやビタミン、食物繊維が豊富な食べ物をバランスよく選び、摂取することが勧められます。

中性脂肪を抑える働きのあるオメガ3には、EPAやDHAが含まれることで注目されています。また、その他のビタミンやミネラル類をサプリメントで補うのも効果的です。

また、アルコールに関しては「楽しむ程度(適量)」で摂取しても問題ないとされています。

食事の時間帯にも注意するといいでしょう。

夜寝る前の食事は脂肪が蓄積されやすく、なるべく夜食を控えるように心がけることです。

脂肪肝にサプリメント

脂肪肝の改善に大切なのは、カロリーを控えつつバランスのとれた食生活とアルコールの摂取量を控える事、そして適度な運動が効果的だとされています。

脂肪肝,サプリ脂肪肝の改善に特に良いとされている成分は、オルニチン、タウリン、不飽和脂肪酸、ビタミン、ミネラル、クエン酸と言われ、中でも積極的に摂っていただきたい栄養素がタウリンオルニチンです。

タウリンは肝細胞の再生を促す役割があり、オルニチンはアンモニアの解毒を促し、肝機能を回復させるのですが食品からオルニチンの成分は微量しか摂取できません。

そこで唯一タウリンとオルニチンを含む食品がしじみになります。

理想はしじみを毎日食べる事が望ましいとされるのですが、毎日となると難しい人も多いのではないでしょうか。

そんな人にはサプリメントでこれらの成分を摂取することを勧めます。

脂肪肝,しじみ,サプリサプリメントを勧める理由として、しじみには多くの鉄分が含まれており、非アルコール性脂肪性肝炎やC型肝炎を患っている場合には肝機能を低下させてしまうことがあるからです。

直接、しじみを食べたり、しじみのサプリメントを飲むときには鉄分の摂り過ぎには注意しましょう。

最近、サプリメントの種類によっては、ビタミンやミネラルがバランスよく配合されたものも販売されていますので、同時に摂取すれば一層効果的ですね。

サプリメントは薬ではありません。あくまで食事の補助となりますので摂取する適量を守って毎日摂るように心がけましょう。

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脂肪肝の食事療法

脂肪肝の治療において食事療法は欠かせません。

食事生活を見直していくことで、適度な運動と上手くに組み合わせることで脂肪肝は完治することが可能です。

食事制限をすることで肝臓への負担を軽減させて、回復を目指すのが目標になります。

食事制限でまず最初に大切なのが、アルコールの摂り方です。

特にアルコール性脂肪肝においては、断酒することで2週間から4週間ほどでほぼ完全に治るといわれています。

しかし、仕事や付き合いで飲む機会が多い人には、脂肪肝の状態にもよりますが、適量以上は飲まない、また週2日以上は休肝日を作ることが大事になります。

脂肪肝の食事ポイント

食事方法ですが、通常の食事では腹7~8分目に減らしつつも、ビタミンやミネラル、食物繊維、良質のタンパク質がバランス良く摂れるメニューを意識すると効果的です。

脂肪肝の食事療法また、脂肪や糖質の摂取も控えるようにしましょう。

肝臓の働きを助け、改善に導く栄養素はタウリン(貝類・いか・たこ)、アルギニン(納豆・ごま・くるみ・肉類)、サポニン(大豆)、セサミン(ごま)などがありますが、食事から充分摂取できない場合はサプリメントで補助するのも良いでしょう。

しかし、サプリメントは薬ではないので、1つの栄養素を摂りすぎることで逆に肝臓への負担が増すこともあります。サプリはあくまで補助食という形で摂取し、基本栄養素は食事から摂るのが望ましいです。

脂肪肝の改善に良いとされる食材等を紹介しましたが、他にもインターネットにてレシピ等が数多くありますので参考にしてください。

脂肪肝と適度な運動

脂肪肝の改善にはバランスの取れた食事と適度な運動を毎日行うことが効果的だとわかっています。

脂肪肝,運動特に一日30分以上の有酸素運動を続けることで、脂肪肝の改善が見られるということがつくば大学の研究で明らかになりました。

3~6メッツ以上の運動を週に250分以上することが脂肪肝の改善に効果的だと言われています。

メッツとは、身体活動の強度を表す単位で3~6メッツは「中高強度の運動」ということになり、3メッツは時速4Km程度のウォーキングで普通の歩く速度になりますね。

6メッツとは時速7Km程度のウォーキング又はウォーキングとジョギングの組み合わせ、水泳などが目安になります。

いずれにしても「ややきついと感じるが息がきれるほどではない」といった運動が一番効果があるようです。

これらの運動を毎日行っても痩せないと悲観する人が多いようですが、体重が落ちなくても肝機能回復には効果が充分にあるので継続して行うことが大切です。

脂肪がエネルギーに変わるのは10分後

肝臓に溜まった脂肪は遊離脂肪酸として運動するためのエネルギー源になりますが、この遊離脂肪酸がエネルギーとして使われるのは運動開始後10分後くらいからだと言われています。

しががって、ある程度の時間続けることが必要ですが、それ以上の運動を行う場合には一日にのうちに何度かにわけて行っても同じ効果が得られるようです。

また、適度な運動を続けることで動脈硬化を防いだり、血糖を下げる善玉コレステロールが増加したり、また炎症を引き起こす「酸化ストレス」から体を守る仕組みが促され、脂肪肝のみでなく成人病の予防にも繋がります。

このように有酸素運動は脂肪肝の改善に高い効果があるのですが、現在、糖尿病の人・高血圧などの合併症がある人・肥満度が高い人には、身体に負担がかかることがありますので医師と相談しながら進めて行きましょう。

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妊娠脂肪肝

急性妊娠脂肪肝とは、妊娠後期(多くは35週~36週辺り)に発症し、急速に肝機能が低下していき、妊娠が終了しないと重症化し、母子ともに死亡するおそれのある怖い病気です。

国内では、10000人~15000人に1人という非常に珍しい病気ですので、医師でも一度も急性妊娠脂肪肝を診たことがないという人も少なくありません。

この急性妊娠脂肪肝は、一昔前までは母子の死亡率は75%~85%と非常に高い死亡率でした。

しかし、現在では早期診療・治療が実施されているため、その死亡率は18%~23%と低下しています。

妊娠脂肪肝の症状

原因はまだはっきりと解明されていませんが、ミトコンドリアの代謝異常、脂質代謝やリボフラビン、そして女性ホルモンの影響などが考えられています。

初期症状は吐き気、嘔吐、食欲低下、倦怠感、頭痛、上腹部痛などで、風邪や後期のつわりなどにも間違われやすいようです。

妊娠脂肪肝その後、放置していると、倦怠感、食欲不振、悪心、極端な体重減少、黄疸が現れて肝不全へ移行します。

治療は症状によって変わってきますが、まず入院をして経過を見るようになります。

母体にまだ時間的な余裕がある場合は経腟分娩が考えられますが、治療の基本は妊娠を終了させることとなってきます。

母体の状態にもよりますが合併症の一つとして見られる代謝性アシドーシス(血液が中性から酸性へ傾くこと)により、赤ちゃんの血液のアルカリ性、酸性のバランスを崩す恐れがある場合には赤ちゃんに重大な影響があるので緊急帝王切開術によって赤ちゃんを取り出す必要があります。

産後は母体の観察も重要となり、凝固系の異常による出血多量に充分に注意します。

いずれにしても早期発見・治療が重要になってくるので、妊娠後期の異変に気づいたら早めの受診が勧められます。

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参考文献等

  • サワイ健康推進課「本当はコワイ脂肪肝」
    大阪市淀川区宮原5-2-30
    https://www.sawai.co.jp/kenko-suishinka/illness/201412.html
  • 東栄病院「脂肪肝」
    北海道札幌市東区北41条東16-3-14
    http://www.touei.or.jp/medknowledge_fattyliver.htm
  • NHK健康チャンネル「脂肪肝を治すには食事や運動など生活習慣を見直そう!」
    https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_627.html
  • 益田地域医療センター医師会病院「たかが脂肪肝、されど脂肪肝」
    島根県益田市遠田町1917-2
    http://hp.masuda-med.or.jp/348/

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