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関節リウマチ

関節リウマチとは

一般的にリウマチというと関節リウマチを指し、関節や筋肉に痛みがある病気の総称をリウマチと呼びます。

リウマチはその原因によって分けられ、じつに200以上の種類があります。大きく「関節性リウマチ」「膠原病」とその他の病気に分類されます。 
リウマチの患者数は年々増える傾向にあり、全国の患者数は70~80万人(※2014年度の厚生省の調べ)と言われています。

リウマチの発症年齢のピークは40代ですが、最近では若年性関節性(発症年齢は16歳以下)のリウマチが増加傾向にあります。また、男女比率では圧倒的に女性の方が多く、男性1に対して女性は4になります。

なぜ女性にリウマチが多いかは解明されていませんが、女性ホルモンや免疫が関係しているようです。

リウマチは患者さんにとって人生を左右しかねない難病なので決して軽視はできません。

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関節リウマチの原因

リウマチが発症する原因は未だ解明されていませんが、関節リウマチが体の免疫システムと深く関係していることが考えられています。

人間の体には外部から入ってきた細菌やウイルスを退治しようとする力があります。

それが「免疫」です。通常、その免疫は細菌やウイルスを退治するのですが、時としてその免疫機能に狂いが生じて自分の体を攻撃することがあります。

結果、T細胞が自分の細胞を異物と判断することで攻撃し、排除してしまうことが原因と考えられています。

この「免疫」はリンパ球の中にあります。

リンパ球とは赤血球や白血球と同じように血管の中を流れます。赤血球、白血球とリンパ球を総称して血液と呼びます。

太いものから細いものまで体の隅々まで血管は張り巡らされているため、自己を攻撃する場所が手や足などの各関節に発症するのです。

関節リウマチの遺伝

リウマチの問題は自身の免疫が自身の体を攻撃することなのですが、その人の体質に関係があると言われています。

リウマチ,原因生物の体を構成する主な分子はたんぱく質で、そのたんぱく質を組み立てているのが遺伝子です。

この組み立て方に間違いがあると「たんぱく質」が増加していき、色々な病気を引き起こす原因となります。

ある関節リウマチの研究結果では関節リウマチの患者さんには健康な人とは違った遺伝子があることがわかっています。

この違った遺伝子が免疫システムの異常に関係しているのではないかと考えられています。

実は関節リウマチは遺伝性の疾患ではありません。

親から子へ細胞が遺伝しても必ず関節リウマチが発症するわけではありません。

この違った遺伝子を持つ患者さんは全体の60~70%ですが、関節リウマチを発症していない人でも40%の確率でこの遺伝子を持っているのです。

結果、関節リウマチになる患者さんはこの違った遺伝子を持っていることと複数の因子が関係しているのではないかとされているのです。

関節リウマチ,遺伝そもそも関節リウマチは免疫異常が起きる病気です。その免疫中にはタンパクで作られたHLAという遺伝子があります。

健康な人と比べてリウマチ患者さんの場合、このHLAが多いことがわかっています。

DNAやRNAといった細胞の1つ1つはタンパク中に存在します。その細胞を検査することで遺伝要素の可否を調べることが可能だと言われています。

決して親が関節リウマチだからといって全ての子供がリウマチになるのではなく、発症する性別やウイルス感染であったり、ストレスや出産などといった環境要因が重なって発症する可能性が高まります。

このような事からわかるように関節リウマチの発症は遺伝が決定的でな病気ではありません。

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女性に多い関節リウマチ

女性に多い関節リウマチ関節リウマチをはじめとする自己免疫疾患は女性に多くみられます。

その理由は女性ホルモンが自己抗体や免疫反応を促進させる物質を活性化させやすいからだと言われています。

関節リウマチに限ると男女比は1:4の割合で女性が多く、関節リウマチに羅患している患者さん全体の約80~85%が女性になります。

女性は妊娠時に体内で育てる胎児を異物だとみなさなくするため、エストロゲン(卵胞ホルモン)が自己免疫機能を抑制させます。

出産後、その抑制が解除される反動で自己免疫の機能が高まります。

そのため自己免疫疾患を罹患率は高まり、年齢で言うと30~50歳代で多く発症し、中でも40歳代での発症がピークになります。

リウマチの症状は月経前が一番強く、月経が終わると症状は軽くなっていきます。このことから女性ホルモンが低下することでリウマチの症状が強くなることが考えられます。

そのようなことから女性ホルモンの分泌が乱れる閉経前にリウマチの罹患率が高いのは女性ホルモンのエストロゲンの関与が考えられ、閉経後にエストロゲンが分泌されなくなると発症率も比例して下がっていきます。

また、プロラクチン(乳腺刺激ホルモン)を異物だと思ってしまい、免疫機能が活性化される影響で出産後に授乳を続けていると症状が悪化することがわかっています。

関節リウマチが起こしやすい関節

関節痛は滑膜の炎症

関節リウマチを発症すると全身に痛みを感じる方や布団がずれるだけでも痛いと感じることがあります。

これは関節をスムーズに動かしている滑膜(かつまく)という部分に炎症を起こすのが原因です。滑膜とは軟骨の周りを覆っている膜となり、潤滑油のような役割をする関節液を分泌します。

通常は関節液があることで骨と骨が直接ぶつからず、日常生活で関節を動かしていても痛みを感じることはありません。

また、この滑膜とは体内で不要となった遺残を排除する役割をもつ免疫細胞になります。

この細胞が異常に増殖すると薄さ1㎜程度の滑膜が腫れ上がり、関節液が分泌過多となって関節腔に関節液が溜まると腫れてしまう原因になります。

また、浮腫(むくみ)を発症すると神経を圧迫してしまうので痛みが現れます。

さら軟骨をはじめとする骨を侵食していき患者さんの骨関節を破壊して手指の変形を起こします。

関節リウマチの診断

関節リウマチの診断で欠かせないのが診察と血液検査にないます。

関節リウマチが起こりやすい関節問診では大関節と呼ばれる肩・肘・膝・股関節などの身体の中心に近い関節、小関節と呼ばれる手指の第2関節・第3関節・手首・足首などの関節、顎関節に鎖骨などの関節に炎症を起こしている箇所を確認します。

単純に関節が腫れたらといって、関節リウマチであると診断されるわけではありません。

血液検査ではリウマチの因子などを確認し、画像診断で炎症によって生じた骨の変形が確認されると確定診断をするなどの早期治療に向けての取り組みがされています。

リウマチの種類

リウマチ熱

リウマチ熱とはA群連鎖球菌(溶連菌)による喉の風邪(咽頭炎)や扁桃炎の治療が不十分な場合、治ってから2~3週間して突然に高熱を発症する病気です。

この病気は5~15歳の小児に多く発症しますが男女差はありません。

既に原因が究明されている病気で治療法も確立されいるため、日本で発症する患者さんはほとんどみられません。しかし、発展途上国ではまだまだ猛威を振るっている病気であります。

リウマチ熱の発症は原因とされているのが溶連菌の感染ですが、この溶連菌に感染したからといって必ずリウマチ熱にかかるわけではありません。

このことから菌の問題だけでなく、患者の免疫系や体質も関係しているのではないかと考えられています。

リウマチ熱を発症した患者の半数が心炎を発症します。この心炎が適切に治療されないと心臓の弁に障害を残して心弁膜症になるケースがあります。

リウマチ熱の症状

リウマチ熱の症状は39℃前後の高熱と70%の確率で現れる関節痛が特徴です。関節痛は膝・肘・手首などの大きな関節にみられます。

例えば、膝関節の痛みがある場合、その部位の痛みは1日前後で消失するのですが翌日に別の部位に痛みが現れます。

このように痛みが移動しているように感じられることから移動性関節炎と呼ばれます。

リウマチ熱,症状その後、患者の半数が心炎を発症しますが発症時は無症状です。この心炎が適切に治療されないと心臓の弁に障害を残し、心弁膜症になることがあります。

心炎が進み心臓の弁が障害されると次第にむくみや倦怠感が現れ、頻脈といった心不全がみられるようになります。

稀にですが皮膚症状(輪状の紅斑や皮下のしこり)が現れますが、痛みやかゆみといった症状はありません。

熱が下がった後、55%という高確率で不随意運動(手や足が意識しなくても勝手に動く)になりますが緊張時に現れ、寝ている時には消失します。

この不随意運動が踊っているように見えることから、舞踏病と呼ばれ、情緒不安定になる人もいます。

リウマチ熱の検査

リウマチ熱の検査は2~3週間前に溶連菌に感染していたことの検査と血液検査心エコーを行なわれます。細菌の検査では培養や迅速高原診断法で溶連菌にかかっていたことを証明します。

血液検査では、白血球の増加・CRPの上昇・赤沈値の亢進がみられ、また心エコーでは弁膜を確認します。

リウマチの診断では血液検査の所見だけでは、リウマチ熱以外の病気でも炎症反応が出る場合があるため、溶連菌に感染していたという証明が必要になります。

リウマチ熱は心炎を起こさなければ予後は良好ですが、心炎によって心臓弁膜症を発症すると程度によっては予後は悪くなることもあります。

リウマチ熱の治療

リウマチ熱の治療ではペニシリン系抗生物質で溶連菌の治療が行なわれます。

リウマチ熱とはその後、ペニシリン予防内服治療が行われます。これは一度リウマチ熱を発症した子供は再び溶連菌に感染にかかりやすいからです。

溶連菌の予防をしっかり行わないと20~50%の確率で再発する可能性があるからです。

溶連菌が再発した場合、既に心臓弁膜症を発症している場合には弁膜症がさらに悪化してしまいます。このような場合には発熱や関節痛にはアスピリン、心炎や舞踏病にはステロイドが使用されます。

現在の国内においてリウマチ熱に感染する子供はほとんどいませんが、突然の発熱や関節痛などの症状がある場合には速やかに医療機関を受診が必要です。

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若年性リウマチ(若年性突発性関節炎)

若年性関節リウマチとは16歳以下に発症するリウマチを指します。免疫異常・ウイルス感染・怪我・ストレス等が発症に影響していると言われ、根本的な原因はわかっていません。

現在、若年性関節リウマチは若年性突発性関節炎と呼ばれ、国の難病に指定されており、公費負担の対象となります。

若年性関節リウマチは患者さんの50~70%が完治する疾患とされており、多関節型やリウマトイド因子が陽性の場合には予後が良くないことがあります。

若年性関節リウマチの症状

症状は関節リウマチと同様に関節炎に3つの病型があります。
  1. 全身型
    若年性関節リウマチ発熱や発疹といった症状が主で関節炎は目立ちません。発熱は平熱や高熱を1日の中で体温の差が大きいことが特徴でこれを弛張熱といいます。また、熱が高いときに手足や体に細かい発疹(リウマトイド疹)が現れます。その他の全身症状ではリンパ節腫脹、肝障害、心膜炎などです。その全身症状は感染症や血液の病気と判別がつきにくく、診断が確定するまでに時間がかかかることがあります。
  2. 多関節型
    通常の関節リウマチに似た症状で指などの関節を含めて5か所以上の関節に炎症がみられます。左右対称に関節炎があり、発熱は微熱程度です。
  3. 少関節型
    関節炎は4か所以下で膝や足首などの大きな関節に炎症が起きることが多いです。関節炎は他の型に比べると軽く、数年で良くなることが多くなります。この型は4~5歳の女児に多く発症し、虹彩炎という目の病気を合併することがあります.

若年性関節リウマチの検査・診断

若年性関節リウマチの検査・診断では症状の発生の状況や関節炎の程度、血液検査・尿検査・X線検査などから総合的に診断されます。

血液検査では、白血球や血小板の増加、CRPの増加が確認されます。しかし、血液検査の結果だけでは診断の決め手にはなりません。

若年性関節リウマチの治療

若年性関節リウマチの治療には薬物療法と理学療法があります。薬物療法は病型によって治療が違います。

全身型には非ステロイド性消炎鎮痛剤を使用されますが、改善がみられない場合や心膜炎がある時にはステロイド薬が検討されます。

ステロイド薬の効果が弱い場合、さらなるステロイド薬の投与(パルス療法)や免疫抑制剤を併用します。多関節型では非ステロイド性消炎鎮痛剤だけで症状が治まる場合があります。

関節症状が強い場合、リウマトイド因子が陽性の場合には早期から免疫抑制剤を使用されます。他にステロイドを併用する場合もあります。

少関節型では非ステロイド性消炎鎮痛剤のみでの治療になります。但し、改善がみられな場合には生物学的製剤を使用されることがあります。また、虹彩炎がある場合には眼科で治療を受ける必要があります。

理学療法に関しては、急性期と慢性期で違いがあります。

急性期では局所の安静を保ちつつ、関節の拘縮や萎縮を予防することが大切です。そのため負荷をかけるような運動は避けます。

慢性期では筋力増強・関節の拘縮や萎縮を予防するための運動を行います。運動は急激に負荷をかけるのは避けて筋肉や関節に負担をかけないように運動していきます。また血行を良くするために保温に努めます。

回帰性リウマチ

回帰性リウマチは関節炎(関節の腫脹・痛み・発赤・熱感)を周期的に繰り返す疾患です。

回帰性リウマチの主な症状は関節リウマチと似ているのですが、大きな違いは周期的に起こることと症状の完全消失があることです。

回帰性リウマチの原因は未だ解明されていませんが遺伝子が深く関与していると考えられています。

一部の患者さんに完治がみられることや20~60%の方に関節リウマチに移行するのも事実です。稀に膠原病を発症することもあります。

回帰性リウマチの好発年齢は20~50代で男女比はありません。

回帰性リウマチの症状

回帰性リウマチの症状として下記3つが挙げられます。
  1. 発作について
    回帰性リウマチ,症状回帰性リウマチの発作の特徴は突然発症して発作時間や期間が短い割に痛みが強いことです。痛みはどの関節部位にも起こりますが、手・膝・肩・足の順で起こりやすいです。また、関節炎の痛みは数時間でピークに達しますが数日~1週間程度で消失します。数日~数か月後で再度発作が現われます。一般的に発作の頻度は年に数回~十数回で症状がない時の全身状態は良好です。とくに障害などが残ることはありません。
  2. 関節炎
    発作時に関節炎の症状が現れますが、通常は1箇所の関節に発生します。経過とともに多数の関節に発作がみられることもあります。このようなことから症状が現れる関節は同一の関節で繰り返されるのではなく、移動するケースが多いです。
  3. 発赤・熱感・腫脹
    関節に近い軟部組織に発赤・熱感・腫脹が起こることがあり、手の腱や指に圧痛を伴う小さな皮下結節ができることもあります。

回帰性リウマチの検査・診断

回帰性リウマチ,治療回帰性リウマチの検査ですが、関節エコーにおいて発作時に滑膜炎が確認されることがあります。少数例では膠原病・全身エリテマトーデス(SLE)を発症する方がいます。

抗CCP抗体の陽性率は56%ですが、レントゲン検査では異常が認められません。

回帰性リウマチには世界的な診断基準はありません

患者さんの症状や関節の画像検査が正常であって、痛風や偽痛風、間歇性関節水腫などの他疾患を除くことで診断されます。

回帰性リウマチの治療

回帰性リウマチの治療では発作時に非ステロイド抗炎症薬が有効とされ、症状が軽減していても十分な効果が得られないことが多くあります。

ステロイドは回帰性リウマチの発作自体が短期間で軽快することから一部の患者さんにのみ使用されます。

現在のところ、回帰性リウマチには完全な治療する方法がないのが現状です。

病気を発症した場合、都度に合った治療で対処し、なるべく関節に負荷を掛けないように適度に体を動かすなど筋力が低下しないような動作を心掛け、病気と上手く付き合っていく必要があります。

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リウマチ性多発筋痛症

リウマチ性多発筋痛症は原因不明の病気と言われています。肩や腰周囲に筋肉の痛みやこわばりが起こる慢性炎症性疾患です。

患者数は男性より女性の方がやや多く50~60歳以上の高齢者にみられます。

リウマチ性多発筋痛症を発症した患者さんの20%に側頭動脈炎という膠原病疾患を合併がみられ、リウマチ性多発筋痛症と関連が考えられています。

合併症が起きなければ2年ほどで完治することから難病には指定はされていません。

リウマチ性多発筋痛症の診断基準

リウマチ性多発筋痛症には明確な検査がないため、診断は関節リウマチや膠原病や感染症などを除外しながら総合的に判断されます。

診断基準はリウマチ性多発筋痛症のスコアリングを元に以下の通りになります。
  1. 前提条件としてCRP高値、血沈亢進などの炎症反応を認める。また、両肩の痛み、発症年齢が50歳以上であること。
  2. スコアリングでは加点方式となり、加点には2通りあります。特徴的な症状と関節エコー(US)での項目の点数が基準の点数を上回ることでリウマチ性多発筋痛症と診断されます。
加点については「USなし」と「USあり」とがあり、関節エコーにて、三角筋下滑液炎・二頭筋の建硝滑膜炎・肩甲上腕筋の滑膜炎・股関節滑膜炎・転子部の滑液包炎がある場合を「USあり」これらの炎症がない場合を「USなし」としています。
  • 朝のこわばりが45分以上ある ⇒ 加点:USなし2点、USあり2点。
  • 殿部痛または動きに制限がある ⇒ 加点:USなし1点、USあり1点。
  • RF(リウマノイド因子)陰性、ACPA(抗CCP抗体)陰性 ⇒ 加点:USなし2点、USあり2点。
  • 肩と腰以外の関節症状がない ⇒ 加点:USなし1点、USあり1点。
  • 関節エコー(US)で肩や股関節の滑液包炎がある ⇒ 加点:USあり1点。
  • 関節エコー(US)で両側の肩の滑液包炎がある ⇒ 加点:USあり1点。
これらの項目でUSなしが4点以上、USありでが5点以上でリウマチ性多発筋痛症であることが条件で診断されます。

リウマチ性多発筋痛症の治療

リウマチ性多発筋痛症とはリウマチ性多発筋痛症の治療ではステロイドが非常に有効とされ、関節リウマチのように積極的にリハビリは行いません。

但し、医療機関によっては消炎鎮痛を目的とした温熱療法や筋力維持するために握力訓練や下肢筋力訓練などのリハビリを行うケースもあります。

診断が難しい病気ですが完治が可能な病気でもありますので薬物治療を受けながら完治が目指せます。

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悪性関節リウマチ

悪性関節リウマチとは既に関節リウマチを発症しており、さらに血管炎をはじめとする関節以外の内臓疾患が認められ、難治性もしくは重篤な臨床病態を伴う疾患を指します。

悪性リウマチは日本独自の疾患概念となり、国の特定疾患(難病)の一つでもあります。

悪性関節リウマチを発症する原因は関節リウマチと同様に体質や免疫機能が関係していることから遺伝性が強いと考えられており、原因は不明です。

発症年齢は60代がピークとなり、男女比率では2:1と男性に多く発症するのが特徴です。

関節リウマチ発症から10年以上経過した長い病歴を持っている患者さんに発症することが多く、5年以内の発症するケースは稀です。

悪性関節リウマチの症状

悪性関節リウマチ,症状悪性関節リウマチの症状では関節症状に加えて全身の血管炎が現れます。

血管炎になると38℃以上の高熱、体重減少、目の充血や痛み(上強膜炎)、皮膚の赤い斑点(紫斑)、腸からの出血(消化管出血)、肺に水がたまる(胸膜炎)、などの症状が急速に現れて悪化することがあります。

その他、抹消動脈炎、爪の周りのごく細かい血管が詰まる(点状梗塞)、皮膚に潰瘍ができたり、手足の指が壊死などの症状が現われることもあります。

悪性関節リウマチの検査

悪性関節リウマチの診断は症状や血液検査、尿検査、レントゲン検査やCT検査などの検査を総合的に判断します。

血管炎の確認のため、一部の組織を採取(生検)して検査することがあります。

悪性関節リウマチの治療

悪性関節リウマチの治療は関節リウマチの治療を継続しながら、他の症状・重症度によって治療が追加されます。

血管炎に対してはステロイド薬や免疫用製剤が使われますが、臓器の虚血や梗塞には抗凝固剤を皮膚潰瘍や指趾壊疽、末梢神経炎の対しては血管拡張薬が使われます。

また、血漿交換などの治療が必要な場合があります。

悪性関節リウマチの予後

悪性関節リウマチの予後ですが、軽快が21%、不変が26%、悪化が31%、死亡が14%、不明・その他が8%となっています。

死亡原因に関しては呼吸不全が最も多く、次に感染症の合併、心不全、腎不全などがあります。※参考:難病センターサイト

現在はメトトレキサート治療などの普及によって病気の発症は減少しています。

悪性関節リウマチの患者さんはステロイドや免疫抑制剤などの薬を内服している場合が多いため、感染症に弱くなることが言えます。

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関節リウマチの症状

関節リウマチの前兆

関節リウマチは臨床症状に特徴があることから、その前兆を見逃さないことも重要です。

関節リウマチの前兆を見逃さない主な症状は朝のこわばりです。起床後に手指が動かしづらい症状が15分以上続く、これが1週間以上に渡り継続し、徐々に他の関節にも同様の症状が現れはじめて腫れてきます。

時間が経過と共にこわばる時間も長くなり、1~2時間も感じることがあります。

その他に、食欲がない、微熱が続く、疲労を感じやすくなるなどの全身に症状が現れることがあります。

手指の第二関節と第三関節の指の付け根が左右対称に腫れ、痛みを感じることもあります。また片方の足関節に痛みが生じた場合、反対側の足にも同じ関節痛を感じはじめていきます。

痛む関節部分を指で押すと弾力を感じることが他の関節炎とは違うところです。

通常、関節リウマチの発症は手指から起こるのですが、日本人では膝の関節にリウマチが起こるケースもあります。

足の関節に症状が現れると、靴下・靴が履けない、正座が辛い、床に長時間座っていると足のこわばりが強くなる、すぐに立つことが出来なくなります。

関節リウマチの進行度

関節リウマチを診断していく上では、現在どの段階にあるのかを把握する必要があります。

進行していく関節リウマチ関節の破壊程度と日常生活がどの程度制限されるかで4つ段階で判断されます。

初期(ステージ1)・進行期(ステージ2)では、滑膜が増殖している状態となり、軟骨が徐々に破壊されはじめている状態ですが骨には異常がない状況です。

日常生活では健常者と同等か少し制限がありますがほぼ普通の生活を送ることができます。

高度進行期(ステージ3)・末期(荒廃期、ステージ4)では、軟骨と骨が破壊され、関節が上手く噛み合わなくなり、動かなくなってしまった状態です。

このような状態では脱臼が起こりやすく、痛みを感じることは少なくなってきます。

外出の際はサポートが必要になり、車椅子や寝たきりとなり自身では生活ができない状況になります。

関節リウマチの痛み

関節リウマチの初期症状として起床時に手指がうまく動かせない「朝のこわばり」の他に全身の倦怠感、微熱、体重減少するといった症状がみられることもあります。

これらは風邪の症状と酷似しているため、この時点で関節リウマチを疑う人は少ないです。

全身症状の後、関節の痛みがはじまるのですが痛みを感じる時と痛みが気にならない状態でじわじわと進行していきます。

通常、動かなければ痛みを感じることは少ないのですが、腫れた患部を押すと痛みを感じます。

この痛みでペットボトルの蓋が開けられないなど、徐々に日常生活に支障をきたすようになっていきます。

進行すると動かなくても痛む

関節リウマチが進行していくと自発痛を発症します。自発痛とはじっとしているだけでも痛みを感じる状態を指します。

関節リウマチの痛みの特徴これは関節の炎症だけではなく、関節の周りにある神経が腫れた部分を圧迫することで痛みを起こしているのです。

自発痛がはじめると朝の起床時に痛みを感じるため精神的ストレスを感じ、それが原因となり免疫力が低下し、悪循環に陥ってしまう恐れがあります。

また、気圧が下がることで症状が悪化することがわかっており、細胞内に水分を溜め込むことで細胞を圧迫するのが原因です。

関節・骨の変形

関節の炎症・滑膜の増殖で軟骨が破壊され、関節の変形や拘縮が起こります。変形は手の指に起こりやすいです。

リウマチ,症状足手の関節は構造は単純なため、指や足の裏にも変形が起こり、病状が進行してくると膝や肘にも変形が起きるようになります。

変形や拘縮が酷くなってくると骨と骨が圧着し関節が動かなくなってしまうと車椅子が必要となり、寝たきりになる可能性がでてきます。

関節リウマチの主な症状は痛みですが、症状が慢性化するとしびれとして感じることもあるようです。

稀に「かゆみ」を訴える患者さんがいますが、薬物治療の過程で起こりうるものですので関節リウマチの症状とは関係ありません。

手の指の変形

関節リウマチは早期治療することで手指の変形といった症状を妨げることが可能です。

但し、治療が遅れると関節を固定する役割の靭帯が伸びてしまい、骨が破壊されてしまうと関節が正しい位置で固定されなくなり関節は変形し、日常生活に支障を来すこともあります。

尺側偏位は親指以外の4本の指が変形します。この4本の指が小指側に傾いて指の付け根の関節がずれてしまったり、亜脱臼という骨と骨がずれてしまう症状が起こります。

手を動かす際にはあまり影響はありませんが、親指に起こるZ字変形(親指の第一関節が曲がる変形)があると小さいものがつまみにくくなります。

見た目でもわかる手指の変形

尺側偏位やZ字変形では関節リウマチに罹患しているとわかりにくい手の変形なのですが、ボタン穴変形スワンネック変形になると特徴的に手が変形します。

関節リウマチ,変形第二関節が内側に第一関節が外側に曲がることからボタンホールにその形が似ていることで名付けられた変形の名称です。

これは第二関節の骨が飛び出てしまっている状態とされ、手の甲側の腱が引っ張られて縦に裂けてしまうことが原因で起きてしまいます。

また、スワンネック変形ですが変形した形が白鳥の首に似ているところから名付けられました。

ボタン穴変形とは逆の変形の指の付け根の炎症となり、第二関節は外側、第一関節は内側に曲がることで指を曲げることが難しく、掴む・握るなどの動作が困難となります。

ムチランス変形という若年性の関節リウマチに多い変形があります。関節リウマチは骨を破壊していきますが、その骨を急速に吸収することで指が短くなります。

指を引っ張ると本来の指の長さまで戻るのでアコーディオンやオペラグラス変形とも呼ばれることもあり、症状が進行して指が縮むと力が入らなくなり物を掴んだりすることが困難になります。

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骨粗しょう症・貧血症状

関節リウマチは骨粗しょう症を起こしやすくさせます。本来、骨というのは細胞のバランスを取りながら代謝を繰り返しています。

関節リウマチを発症すると骨の新陳代謝が早まり、骨を作るのが遅れることで骨が脆くなるとされ、さらにカルシウムも減少する傾向にあると考えられています。

こういった複数の因子が重なり合うことで骨粗しょう症の発症が懸念されています。

貧血の症状の程度は様々ですが、関節リウマチの患者さんの約6割の方が貧血症状を実感しているといいます。

炎症性貧血や鉄欠乏性貧血になることが多く、炎症反応物質を増殖させる細胞が造血を制限したり、赤血球の寿命を短くしたりします。

阻血性疼痛

関節リウマチの症状は手指のこわばりからはじまり、徐々にですが確実に軟骨・骨を侵食していきます。

炎症性の痛みを感じようになると関節リウマチが悪化している証拠でもありますが、炎症性疼痛の痛み以外の原因もあります。

その1つが阻血性疼痛と呼ばれる血管内の血液が滞ることで起こる痛みです。

関節リウマチが進行し、軟骨やが侵食され、変形していくと関節を動かすという動作が減ってしまいます。

そうなると比例して周りの筋肉を動かす回数が減少し、使われなくなった筋肉は衰えて細く硬くなることで起こる現象が阻血性疼痛です。

阻血性疼痛になると血管の収縮が激しい冬場では、血液が運搬の役目をしている酸素と栄養分が行き渡らなくなり、全身に痛みを生じるようになります。

機械性疼痛

骨と骨が直接ぶつかることで起こるのが機械性疼痛です。関節リウマチでは長期間に渡り自身で正常な細胞を壊して行きます。

骨まで進行した時の痛みそれが原因で軟骨の周りを覆っている滑膜に異常が起き、軟骨と骨が徐々に破壊されていきます。

通常、関節を動かした時に滑膜と軟骨が骨同士がぶつからないようにクッションの役割を担っていますが、関節の軟骨が破壊されている状態では関節を動かすたびに骨同士がぶつかり痛みが生じます。

安静にしていれば機械性疼痛自体の痛みはありませんが、骨粗鬆症を合併しやすい状態にあります。また神経が圧迫されることで生じる痛みもあります。

これは関節が腫れ上がることで指先などに信号を送っている神経が圧迫されることが原因です。

産後の関節リウマチ

関節リウマチ,症状女性に多い関節リウマチですが、産後にリウマチの症状が出る方もいます。

理由は発症年齢がちょうど女性の妊娠・出産の時期と重なること、また産後に体力の低下をきっかけに発症するとも考えられています。

赤ちゃんを抱っこする時に起こる筋肉痛から始まることが多いのですが、関節リウマチだと気付かないケースが多いです。

筋肉痛の他に「朝のこわばり」がある場合には関節リウマチの疑いましょう。

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関節リウマチの治療

完治が難しいとされてきた関節リウマチですが、現在は日常生活を普通に過ごせるまでに改善できる治療が行われるようになりました。

根治薬までは開発されていませんが、進行を防いだり炎症を抑える薬で症状の改善が目指せます。

そのためには患者さん本人が病気のことを正しく理解し、規則正しい日常生活を過ごすことが大切です。

薬物治療

関節リウマチでは薬物療法は欠かすことのできない治療方法となり、炎症が継続している状態が続ていると目標とされる臨床的寛解にはなりません。

そのため痛みの軽減効果が期待できる非ステロイド性抗炎症薬や副腎皮質ステロイド薬といった抗リウマチ薬の服用が必要です。

抗リウマチ薬は関節リウマチの第一選択薬とされています。通常3ヶ月ごとに薬物治療の効果をみながら見直されます。

関節リウマチの治療薬

関節リウマチでは薬物療法中心の治療が開始されます。薬物療法には下記4種類の薬が使われます。
  1. 非ステロイド系抗炎症薬(鎮痛・消炎薬)
    この薬は痛みに関連のあるプロスタグランジンの生成を抑えてリウマチの痛みや炎症を軽減します。但し、この薬だけでは病気の進行を止めることはできません。主な副作用には、胃腸障害・肝障害・腎障害などがあります。使用方法は内服となります。
  2. ステロイド(副腎皮質ステロイド)
    関節リウマチ,薬活動性の高いリウマチに対して抗リウマチ薬の補助として使われます。こちらも内服薬になりますがステロイドを長期服用すると糖尿病・骨粗しょう症・白内障・感染症などを合併しやすくなるので抗リウマチ薬の効果をみながら減量若しくは使用を中止します。合併症以外の副作用としては、多汗・血圧上昇・生理不順・筋委縮・高脂血症・肥満・食欲不振・食欲増進・ステロイド潰瘍・骨頭壊死などがあります。
  3. 抗リウマチ薬
    リウマチ治療の主体となる薬物です。効果が現れるまでは非ステロイド系抗炎症薬やステロイドが合わせて使われますが効果が現れることでそれらの薬を使用中止にすることができます。リウマチの状態によっては抗リウマチ薬を2つ併用して使うこともあります。この抗リウマチ薬にも副作用があり、骨髄抑制・肝障害・間質性肺炎などがあります。副作用は重篤化しやすいので抗リウマチ薬を使用する時は定期的に検査をしながら使用します。使用方法は内服と皮下注射がありますが皮下注射に関しては患者自身で行うことができるキットとなっています。
  4. 生物学的製剤
    炎症に起因するたんぱく質であるサイトカインのTNFα、IL-1、IL-6、T細胞を標的として炎症を抑えることで軟骨や骨の破壊の進行を抑えることができます。抗リウマチ薬の効果が十分でない場合に用いられ、生物学的製剤の使用方法は注射や点滴です。日本では7種類の生物学駅製剤が使用されています。最近では患者自分で注射できるキットもあります。副作用としては感染症などです。その他にも高価などの問題点があります。生物学的製剤の使用やほかの薬との併用のついては専門医の知識が必要です。

妊娠中・産後のリウマチ治療

リウマチの患者さんが妊娠するというケースもありますが妊娠には影響はないとされています。

妊婦,産後,リウマチ治療但し、血管炎がある場合には慎重を要しますが、その他のリウマチの症状に対しては家族の協力があれば特に問題ありません。

妊婦のリウマチ治療においては一部のリウマチ薬が制限されます。抗リウマチ薬を中止することで症状が悪化した場合にはステロイドが少量使用されることがあります。

一方、産後の治療では症状が悪化する傾向にあるため、抗リウマチ薬・非ステロイド抗炎症薬の使用の再開、薬量の検討がされます。

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ステロイドの副作用

速攻性があり様々な炎症を抑えてくれるステロイド薬ですが、免疫機能を抑え過ぎてしまうことで発生する副作用があります。

ステロイドは体内で作られているため、長期間に多量のステロイド薬を投与していると副腎がステロイドを作り過ぎていると思い、副腎皮質ホルモンが分泌されなくなってしまうのです。

主な副作用としては、顔が丸くなるムーンフェイス、赤ら顔、動脈硬化、肺炎。骨粗鬆症などのリスクが考えられます。

ステロイドの使用方法

ステロイド薬には内服と点滴で薬を投与する全身投与と局所療法の2つの方法があります。

また局所療法では大きな関節が3カ所以上腫れてしまったり、体重の掛かる関節が急激に腫れた時などに使用されるのが関節内注射法と呼ばれます。

ステロイド薬を直接注入することで副作用も少なく、早期に痛みを取り除くことが可能です。

抗リウマチ薬

寛解を目指す第一段階

関節リウマチは一度発症すると進行を食い止めることが難しい疾患とされてきましたが、近年では痛みを抑制する治療から寛解と呼ばれる症状が現れなくなる状態を目標とする治療が行われています。

薬でのコントロールがほぼ可能となり、服薬しなくても痛みの症状を感じない治癒に近い状態(寛解)を目指します。

そこで大切になのが薬物療法です。

炎症を分子レベルで抑制する低分子抗リウマチ薬と呼ばれる免疫抑制剤のメトトレキサートは第一選択薬として多く処方されていますが、間質性肺炎などの重篤な副作用があるため、投与前に検査が義務付けられています。

関節リウマチの抗リウマチ薬メトトレキサートの投与が難しい場合、異常な免疫細胞のみを正常化する役目を持つ免疫調整剤の服用が検討されます。

また、長期間の服用することで副作用やエスケープ現象と呼ばれる抗リウマチ薬の効果が薄れてしまうことがあります。

そのような場合、他の薬と併用して関節の破壊を遅らせる治療をしながら寛解状態を目指していきます。

生物学的製剤

関節リウマチの薬物治療では注目されているのが生物学的製剤です。

生物学的製剤とは生体が作る物質(タンパク質)を薬に応用して作られた治療薬です。

抗リウマチ薬は免疫の異常を修復し、炎症を軽減させる効果が期待できますが、生物学的製剤では関節炎症の原因とされる活性物質のサイトカインに直接的に作用することで、関節の腫れや痛みの軽減が期待できます。

しかし、生物学的製剤は治療薬が高額になります。さらに免疫の働きを抑制するため、感染症に注意が必要です。

また、重症時の副作用として肺炎や結核があります。

とくに肺炎にかかりやすくなるため、人混みではマスクを着用する、手洗いうがいの管理が必要になります。

生物学的製剤の使用に関しては、血液検査や画像検査などの結果から使用可能か医師が判断します。

生物学的製剤の種類

関節リウマチの生物学的製剤日本で認可されている生物学的製剤には数種類があります。

IL-6阻害薬は色々な細胞に刺激を伝えて炎症反応を広げるIL-6という物質を阻害します。

T細胞阻害薬は免疫の司令塔のT細胞に作用します。細菌などを攻撃す役割があり、その他、免疫を担う細胞もあります。

生物学的製剤は注射薬となりますので点滴か自分で注射する皮下注射で投与していきます。

種類によって点滴の時間や投与期間、自己注射なのかが決まってきます。

また、生物学的製剤は治療費が高額になることがありますので医師に確認しておきましょう。

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非ステロイド性抗炎症薬

関節の滑膜に炎症が起きることで全身に感じる痛みを軽減してくれる非ステロイド性抗炎症薬があり、一般的に痛み止めや鎮痛剤と呼ばれるものです。

痛みを軽減はしますが炎症の原因を取り除いたり、免疫の暴走を抑制する効果は弱いとされ、現在では抗リウマチ薬と併用して処方されることが多くなります。

即効性があり解熱作用もあるため、日常生活を快適に過ごせるようにしてくれる役割も担っています。

非ステロイド性抗炎症薬ですが長期間に渡って服用し続けるとことで副作用が生じる場合があります。

関節リウマチの非ステロイド性抗炎症薬主な副作用としては胃腸障害が最も多く、他に腎機能障害なども報告されています。

通常、経口服用ですが胃に負担がかかることがあるため、パップ剤や貼るタイプなどの外用薬や坐薬などのタイプがあります。

坐薬は肝臓で代謝されないため、体内に吸収されやすく胃に影響を及ぼすことが少ないので重宝されます。

但し、手指に変形の症状がある患者さんには使用しにくいというデメリットがあります。

副作用の少ない非ステロイド性抗炎症薬

非ステロイド性抗炎症薬ですが、鎮痛作用が解明されたことによって副作用の少ない薬が開発されています。

炎症を起こしてる箇所にはプロスタグランジンという物質があり、この物質が痛みを誘発しているのです。

この物質にはシクロオキシゲナーゼ(COX)という酵素が作用し、痛み成分のプロスタグランジンが生成されます。

COXには2種類あり、もともと体内に存在して胃の粘膜を保護する役割などを持つCOX-1と炎症を起こした細胞に誘導されるCOX-2があります。

炎症時に作用するCOX-2を選択的に阻害する薬は胃潰瘍などの副作用が生じにくいとされています。

さらに副作用が出にくいとされているのがプロドラッグです。

胃の中では薬の成分が発揮されず、腸に吸収されて代謝することで薬の成分が作用するように作られた薬です。

胃を通過するときにCOX-1を阻害されないため、長期に渡り服薬必要な場合に使用が検討されます。

関節リウマチの外用薬

関節リウマチの治療では服薬や注射以外に外用薬として様々な薬を使用することがあります。外用薬とは痛みがある部分に直接張ったり塗ったりするお薬です。

皮膚から薬の成分を浸透させ、患部に作用させるように調合されています。

直接、体内に吸収される内服薬とは違い、副作用が起こりにくい薬とされ常備薬として使用されています。

外用薬に含まれている成分は非ステロイド性抗炎症薬が多く使われており、小さい関節の指や手首にはステロイド薬の成分が含まれる塗り薬等で腫れなどを早く鎮める効果が期待できます。

外用薬の種類

患部に貼ることで腫れや痛みをとるのがパップ剤です。水分を含んだ薬剤が塗り込まれており、冷湿布と温湿布の2種類ある湿布薬です。

テープ剤はプラスター剤と同様で粘着力のある貼り薬となり、薄くなっているので剝がれにくくなっています。

関節など動かす場所によって、どのタイプの湿布薬を貼るのが最適なのか考慮して処方されます。

湿布薬はサポーターなどで患部を覆うことで太陽や光などを当てないようにして皮膚症状を軽減させます。

関節リウマチの外用薬もう1つの外用薬は塗り薬の塗布剤です。

塗り薬の軟膏やクリーム剤を塗る時に自然にマッサージをしていることにもなります。

軟膏はワセリンの油脂性をベースにして作られており、皮膚の深部まで浸透させることが可能ですがべたつきが気になるという点があります。

そのべたつきを軽減させた塗り薬の1つがクリーム剤です。水・油などが入った乳剤性のもので塗り広げやすくなっています。

広範囲に痛みを感じる時や皮膚表面に痛みがある時に向いています。

他にもローション・ゲル・スプレータイプのものなど様々なものがあり、医師によっては軟膏とクリームを調合して処方する場合もあります。

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関節リウマチの手術

人工関節置換術
近年、関節リウマチの薬物治療が著しい進歩を遂げていますが、一方では薬の効果が得られずに関節リウマチが進行し、日常生活に支障を来すほどの機能障害に悩んでいる人もいます。

そのような場合、外科的療法の手術に踏み切るケースがあります。

しかし、悪化してしまうと手術が難しくなることもあり、どのタイミングで手術を視野に入れておくかが大切です。

手術で痛みの根源を取り除き、関節と骨などの活動領域が広げる治療で生活の質を向上させるのが目的とされています。

また、どの部位を手術するかで術式が異なり、メリットやデメリットもありますので十分に主治医と相談した上で決めることになります。

4つに分類される手術

滑膜切除術

滑膜切除術は、肘・手・指に足の関節で多く行われる術式です。関節の軟骨が残っている状態の時に向いています。

この手術では炎症を軽減が期待でき、非ステロイド性抗炎症薬の量を減らすことが見込めます。

滑膜に関しては切除した後も再生しますので再発する可能性はあり、とくに体重のかかる膝や股関節ではその割合が高くなることが考えられます。

関節固定術

関節固定術は関節を支える力を向上させます。手首や足首など比較的動かすことが少ない関節に対して行われる術式です。

関節の骨部分は金属プレートなどで固定されます。動かしにくく感じるという人もいますが、動くたびに生じていた痛みからは解放されます。

関節形成術

骨や関節の1部分を削ったり、形を整えたりしてスクリューなどで固定する術式のことを関節形成術と呼びます。

関節形成術はすべての関節に適応するわけではありません。

固定が完全になるわけではありませんので痛みが残ることもあり、固定した箇所が骨と一体化することで痛みが軽減されるのが特徴です。

人工関節置換術

少し前まで人工関節の寿命が10年と言われていましたが、現在では20年以上持ちます。この人工関節を使用した手術を人工関節置換術と呼びます。

関節破壊が進行して機能しない部分を取り除き、人工関節に置き換えることで炎症が治り、痛みや腫れなどから解放されます。

人工関節には長短所があり、手術した箇所は改善されますが、他の箇所は痛みを感じる場合や不便さは拭えないので担当医とよく相談しましょう。

また、術後のリハビリテーションや薬物療法の有無などの確認が必要です。

関節リウマチのリハビリ療法

関節リウマチによる関節破壊は発症から2年以内に起こることがわかっています。

関節リウマチのリハビリ療法しかし、薬物治療と併用してリハビリテーションを行うことで関節変形や筋力低下を避け、日常生活における動作低下をさせないための効果があると2002年にアメリカのリウマチ学会がガイドラインで発表しています。

リハビリテーション療法では患部の疼痛の緩和と関節を動かせる領域を維持することなど日常生活全般において指導が必要です。

炎症が強い時や落ち着いている時など症状の状態にあったリハビリを作業療法士や理学療法士が中心となってプログラムを構成します。

関節は伸ばす・安静にし過ぎない

関節痛の症状がある場合、動かすことが億劫になってしまいますが、ストレッチなどで関節を伸ばすことが大切になってきます。

患者さんにとって動かせる関節がある、関節変形を最小限に抑えられることは心理的にも余裕を持つことができるとされています。

リハビリ療法には数種類があり、それぞれの利点があります。

運動療法

運動療法では関節を動かせる範囲で筋力低下を防ぐのが目的です。身体にある様々な関節を効率的に動かせるリウマチ体操がお勧めです。

物理療法

物理療法とは冷却療法とされるアイスパックで患部を冷やし、温熱療法ではホットパックや部分浴などで温めていきます。

また、超音波や赤外線などの電気療法もあります。

血行促進を物理的な刺激によって促すのが目的ですが、炎症が出ていて熱を持っている時には行わなれません。

作業療法

作業療法は手指の機能の回復を促しながら、趣味などを持つことで毎日の生活を楽しく過ごせるようにメンタル面を整えていく治療法です。

装具療法

装具療法とは関節の変形や予防、矯正を行います。

装具には専門的なものからスプーンや歯ブラシを握る部分が太くなり握りやすくなっているものや、指の変形があったボタンが留めやすくなっているボタンエイドなどがあります。

関節の状態によって最適な装具を見つけて生活の質を保つことが目的です。

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関節リウマチの検査

リウマチの診断には検査が必要です。検査には血液検査・尿検査・骨や関節の画像検査があります。

検査の前に医師による問診が行われます。リウマチの診断は難しく、いくつかの検査を実施して総合的に診断していきます。

血液検査で調べる項目

  • CRP
    関節の炎症の程度を数値で表します。正常値は0.3mg/dL以下です。炎症が強いと10mg/dLを超える場合があります。
  • 血沈(赤血球沈降速度)
    血液中の赤血球が試験管の中を1時間以内にどのくらい沈んでいくかを調べる検査です。これは炎症の度合いをみる検査で正常値は男性が10mm以下、女性が20mm以下です。リウマチが悪化するにつれて高値になります。
  • リウマチ,検査抗CCP抗体
    CCP(環状シトルリン化ペプチド)に対する抗体が、リウマチ早期の段階で血液中にみられることから早期診断に応用されています。この抗体が多くみられる場合は関節破壊の進行が速くなります。
  • リウマトイド因子(RF)
    リウマチになると自身の体に対する抗体が生み出されます。その一つがリウマトイド因子です。この数値が高いとリウマチ反応が陽性となり、リウマチが疑われます。この因子はリウマチ患者さんのうちの25%が陰性となります。リウマチ以外の肝臓疾患や結核、健康な人でも陽性となることがあるため、リウマチ診断で絶対的なものではありません。
  • マトリックスメタロプロテアーゼ3(MMP-3)
    関節の滑膜組織で作られる酵素です。関節炎が酷くなるとその量は増加します。リウマチ診断の補助に使われ、治療薬の効果を調べるのに役立ちます。
  • その他の検査値
    リウマチの活動期には貧血がみられます。そして総タンパク・アルブミン値の低下がみられます。逆に白血球・血小板数は増加します。また、グロブリン値・アルカリホスファターゼ値が上昇することがあります。

尿検査

  • 尿検査ではタンパク尿の有無を調べます。これはリウマチが長期に渡ると尿にタンパクが出るからです。さらに薬の副作用や合併症の有無を確認するのに役立ちます。

画像検査

  • X線検査(レントゲン)
    X線では骨びらんや強直の有無や状態を確認することでリウマチの進行度が分かります。
  • リウマチ,CT検査関節超音波検査(関節エコー)
    関節エコーではリウマチの早期診断に使われます。関節の炎症程度を調べることができます。
  • CT検査
    CTは首や太ももの病変・間質性肺炎(リウマチの治療薬による副作用)などを見るのに有効です。
  • MRI検査
    MRIでは骨の中の炎症の程度や滑膜の増殖の度合い、骨びらんを確認します。これらの病変を早期に確認することができます。

関節液検査

確定診断に手がかりになる

関節液検査では、滑膜(かつまく)の炎症を判断する際、手がかりとなる検査方法です。

患部に注射にて関節液を採取し、肉眼と顕微鏡で関節液の成分を検査します。感染予防のため、検査当日の入浴は避けるように指示があります。

骨の隙間を満たす関節液(滑液)は、透明かつ淡黄色で糸を引くほどの粘り気があるのが正常な状態とされ、これは血清成分とヒアルロン酸が混じり合うからです。

リウマトイド因子の確認

関節リウマチでは免疫細胞が増殖し、関節液の中に正常な細胞を攻撃してしまうリウマトイド因子が発生します。その有無を確認します。

関節リウマチの関節液検査リウマトイド因子は免疫システムの補体(肝臓内で生成されたタンパク質の一種)と結びつくことで、栄養源としている好中球などの細胞を呼び寄せてしまいます。

関節液内の炎症反応を示す白血球数は低下傾向にありますが、血液検査では白血球数が上昇傾向になります。

関節リウマチの合併症

貧血

関節リウマチの初期症状では、倦怠感、食欲不振、体重の減少、微熱程度の発熱が長き、その後は「朝のこわばり」から手指関節の炎症といった症状がはじまります。

そして、関節リウマチ患者の6割以上が経験するというのが貧血症状です。

血液検査では貧血項目を確認していますが、関節の炎症が影響している貧血と、による副作用から起こるものが考えられます。

シェーグレン症候群

関節リウマチ患者の約20%に発症するのがシェーグレン症候群です。

関節リウマチの合併症 関節リウマチと同様に自己免疫疾患となり、正常な細胞を自分で攻撃してしまうことが原因です。

主な症状は、目・口・鼻の乾燥が要因の目がゴロゴロする、パサパサしたものが食べにくい、鼻血が出やすいなどが確認されています。

このシェーグレン症候群は単独で発症する原発性のものと、関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどが引き金となって発症する二次性があります。

アミロイドーシス

長期間に関節リウマチを患っていると繊維状のタンパク質が臓器に沈着することでアミロイドーシスという状態になります。

持続(続発)性アミロイドーシスという特定のタンパク質の蓄積が起こります。各臓器によって症状は異なりますが、脾臓、肝臓、腎臓、副腎などに蓄積されます。

腎アミロイドーシスでは浮腫み(むくみ)や腎不全、また消化器官アミロイドーシスでは味覚障害・腸閉塞・栄養吸収が低下等の症状をもたらします。

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参考文献等

  • 順天堂大学医学部附属 順天堂医院 膠原病・リウマチ内科「関節リウマチ」
    東京都文京区本郷3-1-3
    https://www.juntendo.ac.jp/hospital/clinic/kogen/patient/disease/disease01.html
  • 東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター「リウマチとは」
    東京都新宿区河田町10-22
    http://www.twmu.ac.jp/IOR/diagnosis/ra/about-rheumatism.html
  • 日本整形外科学会「関節リウマチ」
    http://www.joa.or.jp/public/sick/condition/rheumatoid_arthritis.html
  • リウマチ治療最新情報「リウマチはほんとうに治るのか?」
    http://www.good-joint.jp/ra-naoru.html
  • 痛みの情報サイト「関節リウマチによる痛み」
    https://toutsu.jp/pain/riumachi.html

関節リウマチの関連書籍

 
 
 

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