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食道がん

食道がんの原因

喫煙

食道がんの原因として広く知られているのが喫煙習慣です。他のがんと同様でタバコは食道にも悪影響を与えると言われています。

喫煙者が食道がんになる割合は、非喫煙者と比べると3~7倍も高くなり、一緒にアルコールが加わるとさらに数倍に高くなります。

じつは、喫煙者がタバコから吸い込む煙より、喫煙しない人が吸い込む副流煙の方が、さらに多くの有害物質を吸い込んでいることが分っています。

周囲の人への影響を考えても、タバコは百害あって一利なしと言えるでしょう。

飲酒(アルコール)

喫煙と同様、食道がんの原因として考えられているのが飲酒(アルコール)習慣です。

特に「お酒を飲むと顔が赤くなる体質の人」はアセトアルデヒド分解酵素が少ないとされ、食道がんの大きなリスク要因になります。

アセトアルデヒドとは、発がん性のある毒物になります。

もともとアセトアルデヒド分解酵素が少ないの人は、体内にアセトアルデヒドが蓄積しやすい体質だということが考えらえれます。

このようなことから喫煙習慣と飲酒習慣を併せ持つ人は、食道がんの発症リスクが非常に高いことが分かります。

また、ヘビースモーカーの人は、顔が赤くなる体質(=アセトアルデヒド分解酵素が少ない)の影響を受けると考えられています。

その他の原因

他の原因として考えられているのが刺激物(熱い飲食物、辛い飲食物、焦げた食べ物等)を好む人です。食道が頻繁に刺激にされていると、それだけ食道にかかる負担が大きくなるという理由からです。

さらには肥満や野菜不足等においても、食道がんを発症するリスク要因になるのではと考えられています。

最近では逆流性食道炎によって、食道がんが引き起こされるのではないかという報告もあります。

よくがんとの関連が指摘されるストレスですが、食道がんの直接の原因にはならないと言われていますが、間接的な原因であるとは言えるかもしれません。


食道がんの症状

食道がんを患っていても初期症状というものは「とくに感じない」という方が多くなります。これは正常な食道が約半周分でも残っていれば、食べ物や飲み物を不都合なく飲み込むことが可能になるからです。

食べたものが上手く飲み込めない症状が出ている段階では腫瘍が大きくなっている可能性が考えられます。食道がんの初期症状として下記のような症状がみられる場合があります。
  • 食べた物(特に辛いもの、熱いもの等)を飲み込む時にしみるような感覚がある
  • 胸焼けやゲップが頻繁に起こる
このような症状が現れるという方がいらっしゃいますが、この段階で食道がんが発見されれば完治の確率も高まります。

進行した時の症状

食道がんは進行し、腫瘍が大きくなることで食道内が狭くなつことで、食べ物(特に咀嚼量が少なくなる寿司や固い肉等)が飲み込みにくくなったり、吐きだしてしまうことがあります。

さらに進行してくると液唾の飲み込みも困難となり、同時に食欲低下していきます。このような状態になると食べ物からの栄養が摂取できないため痩せていきます。

転移時の症状

がん細胞が食道の壁を超えて、周囲の臓器や組織に浸潤し始めると、胸の痛み、むせるような咳、声が枯れる等の症状が出てきます。

食道の周囲には重要な臓器やリンパ管や血管が多いため、それらの臓器に転移が見つかると様々な症状が現れます。

食道がんは他のがんと比べて、比較的に早期の段階から、頸部・胸部・腹部等の広い範囲のリンパ節にがんが転移すしやすい傾向になります。
  • 頸部リンパ節に転移した場合、首が腫れたり声が出にくくなったりします。
  • 胸部リンパ節や腹部リンパ節に転移した場合、背中や腰に重い痛みがあります。
  • 骨に転移した場合、痛みの他に少しの刺激で骨が折れることがあります。
  • 脳に転移した場合、頭痛や吐き気などの他、痙攣や麻痺等が起こることがあります。

食道がんの末期

食道がんの初期では自覚症状はほとんどみられませんが、進行するにつれて様々な症状が現れはじめます。

食道がんは他のがんと比べて周辺の臓器や組織に浸潤しやすく、浸潤したそれぞれの臓器や組織においても症状が現れ、そして血管やリンパ管等から全身に転移していきます。

ここまで来ると食道がんとしては末期という状態になります。また、進行が比較的速めなのも、食道がんの特徴になります。

末期における治療

食道がんが浸潤・転移し、全身に広がって末期状態になると手術での治療が難しい場合、化学療法(抗がん剤治療)が中心となってきます。末期になると治療は完治ではなく、症状の緩和を目的としたものにシフトされます。

例えば、痛みの症状がある場合、鎮痛剤(痛みがひどい時はモルヒネ等も使います)の投与やピンポイントの放射線治療(ただし、治療目的の放射線よりは弱いものを照射)によって症状を抑えるなど生活の質を落とさないようにします。

緩和ケアについて

生活の質を落とさないようにする治療の一環として緩和ケアというものがあります。患者さんの痛みや苦痛を和らげることを目的としており、症状を回復をさせなくても、がんの痛みを和らげるために放射線治療を行ったりすることは緩和ケアに含まれます。

また、身体的な痛みや苦痛に対する対症療法だけではなく、精神面でのフォローも緩和ケアの一部です。

例えば、患者が痛みやだるさで気分が落ち込んだり、食欲がなくなったり、不安で眠れない時に医師や看護師、周辺のスタッフが一丸となってその苦痛を受け止め、和らげることが緩和ケアです。

緩和ケアはがん末期に必要とされることが多いですが、患者さんによってはがんの告知を受けた段階から緩和ケアを必要とする場合があります。


食道がんのステージ(病期)

食道がんの状態は、がんの進行度を示す4つのステージ(病期)に分類できます。ステージⅠ期を早期がん、ステージⅡ期以降を進行がんと呼ばれます。

ステージⅠ期

がんが食道の粘膜の外に出ていない段階。リンパ節への僅かな浸潤はありますが転移等はしておらず、根治の可能性があります。

食道がんの初期段階では自覚症状がほとんどないため、ステージⅠ期でがんを見つけるためには定期的な検診が必要になります。

ステージⅡ期

がんが食道の粘膜の外へ僅かに浸潤している段階。食道に近いリンパ節に転移が認められるものの、そこからの遠方転移は無い状態。

ステージⅢ期

がんが食道の粘膜の外へ大きく浸潤している段階。食道から遠いリンパ節にも転移がみられる状態。

ステージⅣ期

がんが食道周辺以外にも大きく広がり、胸膜や腹膜にまで転移している段階。ステージⅣ期では、がんが全身に広がっているため、手術や抗がん剤治療等でのがんを根治するのは難しくなってきます。

各ステージにおける生存率

食道がんはそれぞれのステージで5年生存率が変動してきます。但し、このようなデータはあくまで目安としてお考えください。

ステージ別の生存率ですが、4つのステージで最も生存率が高いのがステージⅠ期となり、5年生存率は75%前後になります。

ステージⅡ期では約43%、ステージⅢ期ですと約22%、そしてステージⅣ期になると約10%と一気に生存率が下がります。

食道がんの手術方法

がん細胞が食道の粘膜にとどまっている早期の手術では、開腹する本格的な外科手術は必要ありません。内視鏡を使って病巣を取り除くことが可能です。この段階ですと治療の予後も良く根治が期待できます。

以前までは、食道がんは自覚症状が少ないことから、早期発見が難しいがんの一つでした。しかし、近年では定期検診や他の病気検査で、偶然に早期の食道がんが発見される事例も増えてきており、この内視鏡手術で根治できるケースも増えてきています。

進行時の手術

食道がん細胞が食道の粘膜だけにとどまらず、粘膜下層まで進行していると外科手術が適応となります。この段階での外科手術は食道がんの標準的な治療になります。

一番頻度の高い胸部食道がんの手術では、がん細胞を含めた食道や周辺のリンパ節ごと切除し、胃や腸を使って食道の代わりとなる組織を再建します。

食道の周囲には心臓や肺、大動脈等の重要な臓器や組織があるため、手術は執刀医の技量が求められる難しいものとなります。

また、手術する上で合併症の危険性を考えなければなりません。合併症が起きる可能性としては、肺炎、縫合不全、肝臓・腎臓・心臓障害等になりますが、手術時の死亡率は2~3%です。

末期の場合

食道がんが転移によって全身に広がっている場合や再発時では、手術による治療が難しい場合があります。

末期になると根治を目指す治療ではなく、化学療法(抗がん剤治療)や放射線治療により、がんの進行を抑えたり、痛みや食欲不振等に対して症状を緩和を目的とした治療になります。

さらに、今後の治療継続が困難と判断されると、鎮痛剤や点滴等で苦痛を和らげる治療に切り替えることもあります。(緩和治療といいます)

食道がんの放射線治療

これまでの食道がんの標準的な治療では外科的手術が中心とされてきました。

あくまでも手術はがんを切除するという考え方に基づいており、放射線治療は全身への転移で手術が適応されない場合等、次の選択肢となる治療法でした。

しかし、食道は心臓や肺、大動脈等の重要な臓器・組織と隣接していてるため、手術の難易度はとても高く、大がかりになることも少なくありません。

但し、がんが放射線を照射できる範囲に収まっている場合に限り、手術適応の患者さんでも放射線治療を行うケースも増えています。

放射線治療の効果と副作用

放射線治療は、がん細胞に放射線を照射し、がん細胞を傷つけながら小さくしていく治療法です。病巣をピンポイントで照射することにより、手術でその病巣を切除したときと同様の効果が期待できます。

部位と進行具合によっては根治も期待できますが、効果が大きい分だけに副作用がある場合があります。通常、副作用は照射された部位に起こるのですが、個人差が大きく、強く出る人もいればほとんど出ない人もいます。

また、副作用は治療中だけではなく、治療後や治療終了数年後に現れることがあります。

放射線治療後の予後

食道がんでは、外科手術や放射線治療が選択されますが、治療成績は同等だと言われています。

つまり、患者さんが手術以外の方法として放射線治療を選択したとしても、予後がそれほど悪くはないということが近年わかってきました。

一方、根治手術が難しい患者さんに対しては、放射線治療での治癒は難しくなり、確実な治療法が確立されていないことから、今後の課題と言えます。


食道がん治療後の食生活

内視鏡治療後の食事

内視鏡治療の後は、数日は経口での食事が摂れません。

経口での食事ができるようになっても直ぐに元の食生活に戻すのではなく、まずは重湯から始まって少しずつ柔らかいもの、消化に良い食べ物に移行していきます。

とくに食事制限はありませんが食べ物が飲み込みにくい、食後に胸がムカムカする等の症状があれば、担当医や栄養士に相談しましょう。

外科手術後の食事

食道摘出を伴う手術をした場合、術後1週間から2週間程度は経口での食事は摂れません。

こちらも最初は重湯から始まり、徐々にお粥(おかゆ)や煮て柔らかくなった野菜等に移行し、少しずつ病期以前の食事に戻していきます。

但し、完全に元通りの食生活に戻るのではなく、体に優しい食事内容にすることを心掛けることが大切になります。

特に胃を使って食道を再建した場合には、胃の大きさも小さくなることから食事の摂取方法も変わってきます。

例えば、一度の食事で多くの量を食べられない患者さんが多くみられます。

このような場合、一回の食事量を増やしていくのではなく、食事の回数を増やすことで対応します。

また、よく噛んで食べることも重要です。あまり噛まずに飲み込めるような麺類等は当分避けることがすすめられます。

このように退院後は、食材を煮たり、片栗粉やとろろでとろみをつける等、レシピに工夫が求められます。

また、食道を摘出した場合は一緒に噴門と呼ばれる逆流防止の器官も食道と一緒に摘出することが多くなります。

その場合、胃の内容物が逆流しないように注する必要があるため、食後1時間位は横になれません。

放射線治療・化学治療中の食事

放射線治療の場合、よく噛んで食べる習慣を治療開始時から身に付けておく必要があります。

治療中に食べ物が飲み込みにくいと感じたら、水分を多め服用したり、お粥(おかゆ)にするなどが必要です。

食道がんの検査

食道がんの早期発見は人間ドックや他の病気の検査で偶然に発見されるケースも少なくありません。

食道がんの検査と聞くと食道内部を直接見ることができる胃内視鏡検査(胃カメラ)が有名です。

胃内視鏡検査では食道のどこにどんな形状で病変があるのか等が確認できます。

また、疑わしい腫瘍が見つかると細胞を採取して、詳細な検査へ行なうことで悪性なのか判断できます。

採血検査である腫瘍マーカーの利用では、食道がんの確定診断の根拠の一つにすることもあります。

但し、腫瘍マーカーだけで確定診断できるほど精度は高くありませんので、内視鏡検査の結果を補足する根拠という形になります。

食道がんを疑って検査を受ける際には、自分の適齢年齢や生活習慣等を視野にいれて検討されることが勧められます。

例えば、食道がんの発生頻度が高いと言われているのが
  • 飲酒習慣がある人
  • 喫煙習慣も持つ男性
  • 年齢が60歳以上の男性
食道がんの発症率は40歳頃から徐々に高まりますが、最も急激に頻度が上がるのは60歳前後で、女性より男性の方が発生頻度は高い傾向にあります。

自分が食道がん高リスク群に属する思ったら、人間ドックや定期検診を受けることで早期発見に繋がるかもしれません。

食道がん診断後の検査

食道がんであると診断されたら、今度はがんの進行度を測定して治療方法を決定します。多く行なわれているのがバリウムによるX線検査です。

この検査は食道のどの辺に腫瘍があるのか、その大きさや食道内をどの程度塞いでいるのかを確認できます。

さらにCT検査では、X線を使って転移や周辺の臓器への浸潤を調べます。また、MRI検査では身体を輪切りにした画像を見ることで、CT検査と同様、周囲の臓器や組織にがんが浸潤しているか、転移しているかが確認できます。

また、超音波検査では、腹部と首(頸部)の検査します。腹部は、他臓器への転移や腹部リンパ節への転移の有無などを調べ、頸部では頸部リンパ節への転移を調べます。

食道がんの生存率

食道がんの生存率は、実測生存率相対生存率に分けられます。

実測生存率とは、長い間の治療予後を示す指標として使用されてきましたが、実測という言葉通り、がんの治療を始めた人が5年後(または10年後)に生存しているかの割合を指してきました。

しかし、この考え方ですと「がん以外の死因の人も含む」データとなり、あまり正確な指標とは言えない状況でした。

そこで近年登場したのが相対生存率です。これは、同じ性別、同じ年齢のがんにならなかった人の生存率と比べて、がんの治療を始めた人が5年後(10年後)に生存している割合のことを指します。

相対生存率によって、がん以外の死因の人が除かれ、より精度の高い指標として使えるようになりました。

10年相対生存率

これまで治療の予後は5年生存率という集計によって語られてきました。

しかし、新たに2016年1月に国立がん研究センターがステージ(病期)ごとの10年相対生存率を公開しました。

それによると食道がんのステージⅠ期では64.1%という生存率です。

他のがんのステージⅠ期で80%を超えている中での64.1%は決して高い数字とは言えません。

また、食道がん全ステージを通した10年相対生存率が29.7%という数字から「食道がんは治療予後が悪いがん」と捉えられます。

理由の一つとして、食道は他の臓器にはある漿膜(しょうまく)と呼ばれる膜がないため、他の臓器より浸潤しやすいのではないかと考えられます。

ちなみにステージⅡ期は36.9%、ステージⅢ期では15.4%、ステージⅣ期では4.8%となっています。

5年相対生存率

食道がんの5年相対生存率ですがステージⅠ期では75.7%、ステージⅡ期では43.3%、ステージⅢ期になると22.2%、ステージⅣ期では10.1%となっています。

先ほどの10年相対生存率と同様、ステージが軽くなるほど生存率が高くなる傾向にありますので、早期発見・早期治療の重要性は言うまでもありません。


食道がんの再発

食道がんの再発は他の臓器やリンパ節にがんが見つかり発覚することも少なくありません。

ここでいう再発とは、がんが新しく発生することではなく、以前の治療では発見できなかった小さながん細胞が育って現れたことを指します。

つまり、外科手術や放射線治療時に小さながんが、他の臓器やリンパ等に転移して生き残っていたことになります。

食道がんにおいての再発率は30~50%とも言われています。

再発した時の治療

再発前にどのような治療を行っていたかによって、再発後の治療方法が変わってきます。

例えば、内視鏡療法でがんを切除後で再発した場合、手術が可能性なケースがありますが、実際には再手術が難しくなるケースが多く、化学療法や放射線療法が選択されることになります。

実際に再発して再手術をするというケースが少ないのが現状です。場合によっては根治を目指すのではなく、症状の緩和に力を入れる選択をする場合もあります。

再発しないためには

がんの再発予防に術後補助療法として化学療法(抗がん剤)や放射線療法といった対策が取られています。これらの治療では目に見えない小さながん細胞を抗がん剤や放射線で死滅させることが目的です。

但し、これだけでは再発を完全に防げるわけではありません。また、食道がんの引き金となってしまった生活習慣等を見直す必要があります。

例えば、健康な人の体でもがん細胞は発生しますが、健康な人は免疫力が強いことから、がん細胞を死滅させることができます。

つまり、バランスの良い食事や適度な運動、十分な睡眠等で免疫力を落とさないようにすることも、がんの再発予防に繋がると考えられています。

特にリスク要因として影響力が大きい喫煙や飲酒については、見直すことで再発予防になるのではないのでしょうか。

食道がんとバレット食道

通常、胃と食道はそれぞれ異なる粘膜に覆われています。バレット食道とは、食道の下部の粘膜(扁平上皮)が、胃の粘膜(円柱上皮)に似ている組織に置き換わっている状態のことを指します。

バレット食道になると胸痛や胸焼け等といった症状が現れ、特に夜に胸が痛むのが特徴です。但し、全ての患者さんに同じ症状が出るのではなく、自覚症状がない患者さんもいます。

欧米では食道がんのリスク要因の一つに挙げられています。

バレット食道の原因

なぜバレット食道が起こるのかは原因がはっきりしてはいません。

しかし、後天的であることから何らかの原因があると考えられており、仮説として逆流性食道炎との関係が指摘されています。

つまり、逆流性食道炎(または逆流性食道炎の予備軍)によって、食道の下部が胃酸にさらされ続けることで、その部分の粘膜が損傷と回復を繰り返します。

その結果、食道の細胞が胃の細胞にのように変化し、回復してしまっているのではないかと考えられています。

その他、ヘリコバクターピロリ菌との関連も研究されていますが、はっきりとは解明されていない状況です。

バレット食道と食道がん

国内における食道がんのほとんどが胸部食道がんで90%以上が扁平上皮がんとなりますが、欧米では食道がんの約半数がバレット食道の悪化による腹部食道がん(腺がん)になります。

そのため、欧米ではバレット食道は、食道がんのリスク要因として治療対象になります。

しかし、日本ではバレット食道が食道がんに発展することが少ないため、診察を受けても無治療や胃酸分泌抑制剤で経過観察というケースが多々あります。

胃酸分泌抑制剤を服用することで症状を軽くすることは可能ですが、バレット食道を治癒することはできません。最近、食生活やライフスタイルの欧米化で日本においても腺がんが発症が増えると予測されています。

そのため、バレット食道と診断された場合には定期的な内視鏡検査が勧められます。

食道がんチェック方法

食道がんは自覚症状が少なく進行が速いことから早期発見が重要になります。

とくに喫煙、飲酒、熱いもの、辛いもの等が好きという中年以降の男性をはじめ、食道がんのリスク要因がある人は定期的な検診が勧められます。

そのような食道がんですが、最近では検査によって早期発見ができたというケースも増えてきています。

以下に食道がんの簡易チェックリストを載せますのでYesかNoで回答してみてください。

☑食べ物や飲み物が飲み込みにくいことがある
☑喉がつかえる感覚がある
☑喉に異物があるように感じる
☑刺激物(辛い物や熱いもの、すっぱいもの等)を食べると喉がしみる
☑固いものが飲み込みにくい
☑胸&背中に痛みを感じる
☑吐き気あるいは吐いたりする
☑声が変わった(声がかすれた)
☑首を触るとしこりのようなものを感じる
☑最近体重が減ってきた

前述のリスク要因を持っていて、このチェックリストに一つでもYesがある場合は詳細な検査が勧められます。

特に喉がつかえる感じや背中の痛み、声の変化、首周りのしこり等の症状については注意が必要です。

また、複数当てはまった項目を見返して、不安や心配、心当たりがある場合には適齢年齢と合わせて検査を検討してみてはいかがでしょうか。


参考文献等

  • がん研有明病院「食道がん」
    東京都江東区有明3-8-31
    https://www.jfcr.or.jp/hospital/cancer/type/esophagus.html
  • 東京慈恵会医学大学外科学講座「食道癌」
    東京都港区西新橋3-25-8
    http://www.jikeisurgery.jp/diseasegroup/upper-dig/esophagus/esophageal-ca/
  • 岐阜県総合医療センター「食道がん」
    岐阜県岐阜市野一色4-6-1
    http://www.gifu-hp.jp/esophageal_cancer/
  • 国立がん研究センター 中央病院「食道がんについて」
    東京都中央区築地5-1-1
    https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/clinic/esophageal_surgery/030/index.html
  • 国際医療情報センター「食道がん」
    東京都新宿区信濃町35番地 信濃町煉瓦館
    https://www.imic.or.jp/library/cancer/010_esophageal.html
  • 京都大学医学部付属病院消化管外科「食道がんと言われたら」
    京都市左京区聖護院川原町54
    https://gisurg.kuhp.kyoto-u.ac.jp/clinic-contents/%E9%A3%9F%E9%81%93%E3%81%8C%E3%82%93%E3%81%AE%E8%A7%A3%E8%AA%AC
  • 慶應義塾大学病院医療・健康情報サイト「食道がん」
    http://kompas.hosp.keio.ac.jp/sp/contents/000234.html
  • 徳洲会グループ「食道がん」
    東京都千代田区九段南1-3-1
    https://www.tokushukai.or.jp/treatment/digestive_surgery/shokudu_gan.php

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